2020年1月1日水曜日

2020年 友利ゼミ募集開始します

Clip to Evernote
あけましておめでとうございます!

2020年も,皆さまにとって素晴らしい年になりますよう,心からお祈り申し上げます.


さて,昨年よりアナウンスしていましたが,作業療法のエビデンスを共創するための,オンライン友利ゼミを募集させていただきます.

ゼミの主体は皆さんです.このゼミを通して,皆さんの研究や,エビデンスを構築するための企画がゼロからイチになることを支援したいと思います.

申し込みフォームは下記にあります.どうぞよろしくお願いいたします.



エビデンスを構築するのに臨床家の負担に頼りすぎてないだろうか?

 臨床家が「研究したい!」と思ったとき,最初の選択肢は大学院ですが,僕はそれ以外の選択肢も作りたいと思っています.きっかけは地方在住の臨床家から伺った話で,大学院に通うために,週1-2日有給を使い,片道5時間,交通費が月6-7万,それに学費が年間60〜100万となると... いくら学びたい気持ちがあったとしても,多くの臨床家が躊躇するのは当然です.そもそもエビデンス構築という業界最優先の事案に対して,臨床家にそこまで負担を強いること自体がおかしいと思いませんか? 海外では大学院生に給料を払って研究補助を依頼するほど価値のある仕事なのに... 本ゼミは会費制ですが,データ収集にご協力いただくことで謝礼をお支払いする予定です.ゼミに関わる人がwin-winになれる仕組みを目指します.



研究するには仲間や良指導者の存在が不可欠

 何でも独学可能な時代とはいえ,臨床家が研究を初めから一人で学ぶのは心もとないですよね.専門的な知識や経験をシェアしたり,ディスカッションの中でアイデアがひらめいたり,みんなで効率的にデータを集めたり,辛いときに励ましてもらったり... 研究を進める中で仲間や指導者の存在は欠かせません.そういう人が職場や大学など身近にいることはそう多くありませんが,世界中には沢山います.本当にたくさんいます.このゼミでは,国内外の臨床家,研究者,対象者,企業などをオンラインで繋ぎ,だれでも,いつでも,どこでも研究を学び,エビデンスを共創する環境作りを目指します.


なぜクローズにする必要があるのか?

 なぜ会費制のクローズドの運営にするのか.第一に,前向きでやる気のあるメンバーでゼミを建設的に進めたいからです.無料・オープンにすると,無責任かつネガティブな意見も受け入れることになるので,例えばメンバーから提案された新芽のようなプロジェクトを育むことが難しくなります.第二に,無責任・無負荷の環境で人は行動変容ができないからです.研究活動には期限も締め切りの無く,自分自身との約束だけではズルズルと後回しになりがちです.会費を払って参加する,締め切りのある課題に取り組む,この2つで,参加者全員,もちろん主宰者にも「ゆる〜い責任」が生まれ,それを利用して行動変容を促していきます.スポーツジムで切磋琢磨するイメージですね.第三に,アイデアを守るためです.研究も企画もアイデア勝負なので,発表できるまでは秘密裏に進めなければいけません.以上の理由で,当ゼミは会費制・クローズドで進めていきたいと思います.




ゼミの内容

まず2年間限定で運営します(延長するかはその時に考えます).


スタンダードコース 入会費12,000円 人数無制限

  • 月2〜3回の研究法の動画配信(1つ10分程度)
  • FBでのディスカッション
  • スペシャルゲストの講義(不定期)
  • オフライン研修や飲み会🍺
  • 研究、研修会、書籍、国外ツアー、などメンバー主催の企画運営

アドバンスコース 10名まで
既にスタンダードコース応募者は年間20000円 
新規の方(スタンダード未応募者)は年間30000円
  • スタンダードの内容全て
  • 月1度40分のビデオ通話での個別研究指導
  • メールによる個別の質問
  • 学会発表や論文執筆の添削
  • ゼミでのデータ収集呼びかけ
  • 研究内容は,目標設定,OBP全般,アプリや尺度など開発研究です.


申し込みフォーム





2019年12月30日月曜日

2019年を振り返る

Clip to Evernote
娘たちから「シルバニアで遊ぼう」と言われて行ったら,「お父さんは椅子から落ちて死んでいる設定」だそうです.tomoriです.理由は,僕が椅子で座りながら寝てて落ちかけたから,だそうです… 

さて,今年もあっという間に終わってしまいましたね.ブログもまさかの3回しか更新できず申し訳ございませんって感じですが,今年も結構いろいろとあったんです.健忘録としてココにに記しておきますね.


講演:28回

ありがたいことに講演の依頼が多かった1年でした.国内では,初の全国OT学会のシンポや初のリハ医学会,COT企画の目標設定セミナーやキャリアデザイン,また初の5時間講義などもあって,充実していました.

また海外で3本も講演できたことは,拙い英語でしたが自信につながりました.12月,内モンゴルのマイナス20度で鼻毛が凍りそうな体験をし,その2週後に30度のマレーシア.おもわずアロハで講演しました.寒暖差50度です(笑)

全国OT学会のシンポジウム

リハ医学会


マレーシア 第一回OBPシンポジウム



論文:7編

論文は自分では1本書いて,1本投稿中です.実際的に研究があまり進まなかったと反省.とほほ... 仲間のおかげで共著をいくつか出せましたが,来年は自分でももう少し論文書きたいと思います.和文は依頼原稿,原著は英文って感じになってきましたね...

著書:4編

今年はなんといっても,作業で創るエビデンス ですよね!.京極さん,竹林さん,長山さんといった豪華メンバーのおかげで,何とか仕上げることができました.量的研究から質的研究までかなり網羅的で,かつ内容も最先端です.またマンガを使って解説もしており,「難しいことを分かりやすく」編集した自信作です.ぜひお手にとってみてください.



また本学理学療法学科の楠本先生のお声掛けで,統合と解釈のための 小児リハ評価ガイド のOT部分をお手伝いしました.発達領域でエビデンスを作っていきたいという熱い思いからできた本で,評価法などの解説からそれを使った事例の紹介という流れになっています.まず何事も定量化からですね.



また分担として,Evidence Based で考える 認知症リハビリテーションOT臨地実習ルートマップ 改訂第2版,の一部を執筆しました.両者ともなかなかの良本です.



国際交流

僕が今年チカラをいれていた部分で,海外の大学や研究者と交流することができました.視野が少し広がった1年でした.来年は1月からニュージーランド,3月オーストラリア,9月プラハの予定です.それ以外にもいくつか行くことになるかと思います.国際交流によって,日本の作業療法の可能性を広げることができないか模索中ですし,ADOCも海外でちゃんと使ってもらえるように,研究やプロモしていきたいと思います.

韓国 ウソン大学へ学生を連れて訪問
MOU締結による学生・教員交流

NZ オタゴ大学との二国間共同研究
イムス板橋リハ病院さんへ見学

台湾 成功大学 National Cheng Kung University 来校
台湾の学生さんは英語も日本語も堪能でびっくり!

中国リハビリテーション病院 訪問
中国版ADOC開発,病院視察


中国 内モンゴル フフホト地区研修会(研究法)


マレーシア マラ工科大学 リサーチミーティング,病院見学など

教育

今年は国試担当で,本学科の合格率は96%でした.全国平均が80%(新卒)とかなり低かったので,まずますとは思います.学生は最後までタッグを組んで良く頑張ってくれました.また副担の大野先生や,その他の先生がたのご協力のおかげです.感謝.

そして4月から1年生の担任となりました.今年の1年生はやる気に満ち溢れています(笑)このままのペースで4年間突っ走って欲しいですね.

また本学科は澤田さん企画で,看護のように教員が同行する実習(評価)を2年前から実施していますが,今年は僕も参戦しました.実習は完全なトップダウン型で,1日目面接,2日目観察,3日目検査という流れで,3日間訪問します.実習施設には時間調整などご負担をかけてしまいますが,全員でクライエントのために一緒に考えるという体制は,大学側にはもちろん臨床サイドも勉強になるとの意見もあり,これからもますます充実させていきたいですね.

またまた澤田さん企画で,1.5日オープンキャンパスを実施.1日講義に0.5日同行型の施設見学という手厚い内容で,高校生にも満足いただけたようです.澤田さんの行動力も大変勉強になりました.



その他

プライベートで澤田・友利ゼミを開催.多くの希望者の中から5名を選定.4月〜12月まで合計10回の講義と,個別での研究打ち合わせを行いました.

Dr. Levackが来校した際,ゼミで特別講義


ただ今年全国行脚するなかで,月数万の交通費に学費も支払いながら大学院で研究法を学んでいる臨床家が少なくないという現状を知りました.僕も大学院には結構お金使いましたが,僕は教員になりたかったのでそれで良かったんです.

でも純粋に研究法を学びたいという大多数の臨床家に,そんな負担を強いることってそもそもがおかしくね? 疑問を抱くようになり,オンラインかつWin-Winで研究法を学べる仕組み作りが今の僕にできる役割かなと思うようになりました.

詳細は1月にアナウンスしますが,とりあえず2年間限定でオンラインの「友利ゼミ」を開講したいと思います.ご応募ください.

まとめ

というわけで,2019年も本当にお世話になりました.こう振り返っても,皆さまに生かされた一年でした.

昨日,いつものメンバーで忘年会しました.いつもの仲間に感謝しつつ,来年も今年以上に邁進していきたいと思います.

2020年もどうぞよろしくお願いいたします!





2019年9月8日日曜日

作業療法のエビデンスを構築する

Clip to Evernote
福岡の「やる気のない」うどんが大好きなtomoriです.これはつまり,ふにゃ~っとしたコシが全くないうどんを指しています.今回「大地のうどん」を食べたんのですが,少しだけやる気が残っていたんですよね〜(笑).もちろん美味しかったですよ! やっぱ九州の食べもんはよかね〜.




とりあえず,ご無沙汰しております! 最近はTwitterFacebookインスタなどのSNSを中心に投稿しており,ブログがほったらかしになっております.申し訳ございません.



さて,今回の53回日本作業療法学会は,我が師匠である東 登志夫 先生が大会長を務めるということで,僕もシンポジウムのオーガナイザーを任されました.

テーマは「作業に焦点を当てた臨床研究の探求-事例研究からランダム化比較試験まで-」で,東先生とも事前に相談させていただきながら,今回は先生がたと挑戦することとしました.

  1. 北里大学 髙橋香代子先生
  2. メンタルサポートそよかぜ病院 島田岳先生
  3. 広島大学病院 塩田繁人先生
比較的若手で望んだので,スライド作成時点から何度も意見交換を繰り返し,チームワークでなんとか大役を果たせることができたかなと思います.また,東先生の大会長講演で問題提起,シンポで解決策の導入,竹林さんの教育講演で具体論と,全体的にうまく流れも作れたかなと思うので,皆さまにとって,作業療法研究のターニングポイントとなればと願うばかりです.



このブログを書き始めた時には,細々と行われていた「作業に焦点を当てた実践(OBP)」を広めることが主な目的でした.あれから約10年.いまや定義改定もなされ,作業療法の方向性も定まりました.これからの10年は,作業療法のエビデンス構築です.これを僕の今後10年の課題にしたいと思います.作業療法のエビデンスを創る.

クライエントのニーズに合わせた個別性が高い支援がこれから必要になることは間違いないのですが,個別性の高い支援は厳格な研究デザインに乗りにくく,エビデンスの構築が容易ではありません.事実,理学療法にはかなり遅れをとっています.ですが,

  • RCTを計画している方
  • 研究法を勉強したい方
  • データ取りに協力出来る方
  • 統計に詳しい方
  • 子育てで実働は難しいけど意見は出来る方
  • 研究費を支援できる方
  • クライエントも!

などなど,様々な人たちで今ある作業療法研究の最優先の課題を共有し,少しずつチカラを出し合って研究を進めていけば,この逆境もきっと乗り越えられると信じています.

そのための仕組みづくりとして,僕がハブとなり,オンラインのグループを作っていきたいと思います.地方でも離島でも,何なら海外からでも,どこからでもエビデンス創りに参加できます.これは「どこでも使える」エビデンス創りには大事なことです.1病院,あるいは都市部だけでデータを集めても,その条件下でしか使えるエビデンスにしかならないので.

現在準備中ですので,少しお待ちいただけたらと思います.

最後まで読んでくださり,ありがとうございました.


これから10年のお供はこの本(笑)



Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...