2013年10月25日金曜日

医療は産業となりうるか?

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今日もマックで朝ノマドしてました。tomoriです.最近は急に寒くなってきましたね.これからジーパンの下にスパッツ履いて,冷たいMacのキーボードにストレスを感じながら,また根性試しみたいな日々が続くかと思うとイヤですね〜.やるけど(笑)

さて,先日Smart city week 2013というイベントに参戦してきました.大学業務で色々と予定があったのですが...ごめんなさい.

総務省の方ちよるICTを活用した街づくり,CYBERDYNEさんのHAL,そして数年前から一度聞きたかった,医療法人社団KNI 理事長 北原茂実 先生のお話を聞くことができました.

北原先生は,病院がトヨタを超える日 という本を書かれています.僕も大好きな本なので,ぜひ興味ある方は読んでください.




医療で儲けちゃいけないのか?
北原先生は様々な取り組みをされている外科医兼実業家って感じです.まず医療崩壊は医療費が足りないことに起因するということで,成人する人数と看護・介護の入学定員数から概算すると,1/12は看護や介護職に就いている.だから本当の意味で人手不足ではない.じゃなぜか.給料が安いから仕事が続けられない!(笑)という話や,医療費をしぼるから高齢者がお金を使わなくなり,貯めこんでしまって,総資産はあるのにGDPの減少が止まらない,などの話しから,医療はもっと自由化,産業化することが必要だという話しをされていました.つまり,医療は「総合生活産業」として、これからの産業の中心になりうるということを力説されていました.命を相手の仕事は尊いものだけも、飛行機だって,農業だって,建築だって,何か事故があれば沢山の人の声明に関わる.つまり多くの仕事が人の命を扱っているので,医療だけ特別視するのもどうか,という主張でした.


カンボジアへの医療の輸出
医療は「地産地消」であるべき!と.東南アジアでは,優秀な医師や看護師や国外へ逃げていくばかりか,国内の病院は海外の資本というかデカイ病院が高い金でスタッフを囲い込む事態.それで何が起こっているかというと,普通の方が医療を受けることができないということでした.それではイカンぜよと.カンボジア国内に立派な病院,大学を設立し,地元の人による地元のための医療を育てていくことを支援するという感じでした.また面白いのが,北原脳神経外科病院がある八王子の中小企業を募って海外進出を支援したり,政府や大手企業も募って,そのカンボジアへの輸出をやっていること。すごいマネジメントですね。あと僕の好きなリバースイノベーション.つまり日本では制約が多すぎてできないような診療システムをカンボジアなどで試験的に実施し,将来的に日本の戻せるようにと,そんな狙いもあるようです.


医療と農業の融合
リハビリテーションに関することでは,医療と農業との融合?を考えているそうです.面白かったのが,カンボジアの人が脳外?などのオペを受けるときに,当人の農地を病院が買い取って手術費に当て,病院が持っている農場で職業訓練として働かせて,その賃金で再び自分が売った農地を買い戻させる,というシステムをやっているそうです.ちょっと聞き違えたとこもあるかもですが、発想がすごくないですか(笑)竹林さんからも少し聞いたんですが,やはり東南アジアなどでは働けるかどうかがリハの大きなポイントだそうです.北原先生は地元のニーズに真摯に向き合っているんだろうなと思いました.我が国のリハビリテーションは,作業療法は,クライエントである国民のニーズに本当に真剣に向き合っているのでしょうか…


今の社会について作業療法はもっと真剣に考える必要があるのでは?
ここからは講演を聞いて僕が感じたことをまとめます.もともとリハビリテーションていうか作業療法は職業的復帰に強い意味合いを持ってました。国が豊かになり、リハが医療、福祉シフトしてから、人間的復権みたいな説明になりました。でも僕は,これからは人がやる「仕事」を創りだすことが最も重要な社会の課題だと思っていますし,作業療法でもそこをちゃんと考えてかないとと思っています.もはや,少子高齢化によって生産人口が減ることは分かりきっています.今私たちの仕事は,患者さんを支援し,国全体の公助費から賃金をもらう,というシステムですが,そのサイクルでは今後破綻するんですよね.それだけならまだしも,これからもっともっとコンピューターが仕事を奪っていきます.世の中どんどん便利になっていき、便利になるほどヒマな人が増え(笑)どんどん人の仕事が減るという矛盾.農業も時代はこうなっていくでしょう→ハイテク農業が予想以上に凄いことになってた…

新井※は「健康感の維持もまた作業療法によって達せられる一つの効果であって,有益なる仕事をなす事が出来るという意識を持つほど人間に希望と健康感を与えるものは何物もないだろう」と述べています.僕,この言葉好きなんですよね〜.まぁ、仕事だけじゃないけど、作業療法も,人の筋骨だけでなく,認知機能だけでなく,ADLだけでなく,対象者や家族だけでなく,もう少し社会全体を見渡しながら,自分たちの立ち位置や今後の方向性を考える時期に来ています.視野を広く持ち,国民が困っていることは何なのか,それに応えるにはどうすれば良いのか,人任せにせず,OT一人ひとりが考える必要があると思います.

 ※秋元波留夫,編:新 作業療法の源流.東京:三輪書店,1991.

最後まで読んでくださり,ありがとうございました.








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