2014年3月27日木曜日

事例本の中身公開−クライエントに見せたいと思えるレジメを書きましょう−

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OTに全く興味ないOTのカミさんが、目の前で号泣(嗚咽?)しながら事例本を音読しているのをみて,いい仕事したな(笑)と,実感しております。tomoriです。



さて、事例本がいよいよAmazonで受付されました。発売前ですが、増税前ということもあり,作業療法を通り越してリハのカテゴリー1位となっています(笑)




先日の日本臨床作業療法学会の書籍販売でもすごい行列で、340名の参加者でまさかの200冊即日完売(笑) 予約注文された方も多数いたとか…

今日はあくまで編集協力という立場から、僕個人でのオススメどころを書きたいと思います。沢山ありすぎるので,シリーズで書こうかな...(笑)



1) 侍さんのしなやかで力強い文章

事例本はレジメだけではありません。作業に焦点を当てた実践についての考えかたを侍OTさんがわかりやすく書いてます.僕が書いた2章のタイトルが無味乾燥に見えてしまいます(笑)



侍さんは,あくまで等身大に,自分自身の言葉で,作業療法の楽しさを精一杯伝えようとしています。作業療法をとりまくジレンマや苦しさに寄り添いつつ、前向きに取り組めるよう全力で応援しています。具体的にどう考え、どう実践すればいいのかが書いてあります。きっと臨床で悩んだ時の道しるべになると思います。

「私は作業療法を心底素晴らしい仕事だと思う(あとがきより)




2) リアル感にこだわったレジメ

これまでレポートの書き方とか事例報告とかが書かれた本は沢山ありましたが、臨床実習などではそれらを参考に学生とかがレジメを書くことはなかったように思います。むしろ良いかどうか分からない(大抵は良くない)先輩のレジメがバイブルになっているようです。それはなぜか?  僕はフォーマットにあると思いました。これまでの本にある事例はフォーマットが違いすぎて、これは別の物という感じがあったと思います。



正直、B5にこの文字数は読み物としてはありえません(笑)目がチカチカします(笑)でも僕らのゴールは読んでほしいというより,マネをして書いてほしいことなので,医学書院の担当者さんにも文字数を減らして欲しいと何度か言われてましたが,これこそ臨床現場でのスタンダードであることを主張し、どうにかデザイナーさんに読み物として合格ラインになるくらいキレイに整えてもらいました(数々の無礼をこの場を借りてお詫びします...)

内容も,第一線で活躍する臨床家(教員も含む)に書いていただいたリアル感ばっちりです.急性期から終末期まで。病院から訪問まで。身障から発達まで。たくさんの事例があります。きっと参考になる事例やセンテンスが見つかると思います。

「なぜ事例報告なのか... 一言でいうならば,成長過程において「型」を学ぶことこそ非常に大切と思うからである.ボトムアップ全盛期に臨床家になった私は,作業に焦点を当てた実践の型を身につけるまでに遠回りをしたからなおさらその思いが強い(まえがきより)



3) 全て2ページで展開

一つのテーマを全て2ページに、つまり見開き1ページにまとめてるので、カタログのようにパラパラとテンポ良く読めますし、このページでは何が言いたいのかタイトルに書いてあります.読みたい所からよめますし、後から検索するのも容易です.字数を調整してくださった先生方,ありがとうございました.


しかも、理論、評価法、治療手技なども全て2ページです。通常、これらを学ぶには、分厚い本やマニュアル、講習会などがあります。本書では、それらを映画の広告のように2ページにギュッとまとめてあります。初めて学ぶ学生さんや、いままで食わず嫌いだった方にも、サクッとと読める分かりやすい内容を心がけたつもりです。この2ページをキッカケに、ぜひ分厚い本やオリジナルの論文に挑んでください。きっと世界が開けると思います。




4) 共創

僕らのコンセプトは共創です.今回も38名の先生方にご執筆いただきました.先生方と力をあわせて素晴らしい臨床実践を世に伝えることができたこと,理論や治療技術をわかりやすくひとまとまりで出せたこと,その共創が僕個人としては本当に本当に嬉しく思います.ここに至るまで,決して楽な道ではありませんでした.この一覧に載っていない沢山の方々にも支えていただきました.いつもご助言・応援してくださった先生方,出版社の皆さまも含め,本当にありがとうございました.




最後に,この事例本の主役はなんといってもクライエントです.この本ではクライエントとも共創できたと思います.

というのも,今朝FBで事例執筆者の冨永さんが「本ができて、一番に見せたかったのはAさんの奥さんです」と書いてあり,澤田さんも「自分も昨日お線香あげに行きました」と普通にコメントしていました.お二人はごく自然にやったんでしょうが,僕はさすがだなぁと思いました.

僕は学生のレジメを見るたびに,「これはクライエントに見せられるか?」と問うてきました.ムンテラどうこうとか専門用語がとか細かい話はさておき,もし自分が書いたレジメを見せられないのならば,本質的にクライエントと協働できたとはいえないんじゃないの? レポートの採点って本当はクライエントとするもんじゃないの? 僕はいつもそう思っています.それを上のお二人は自ら見せにいったというのだから(笑).ホントに協働されていたと思います.

侍さんが,「(本書の事例は)クライエントがよりよい作業的存在となれるように,クライエントと寄り添いながら共創した軌跡である」とあとがきで述べていますが,まさにそれを実感しました.


クライエントに「見せたい!」と思えるレジメを書きましょう.




最後まで読んで下さりありがとうございました.

Kindleでも読んでみたいなぁ(笑)




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